6月, 2014年
当会は佐賀県在住の世界的農業者武富勝彦さんを応援しています!
武富勝彦さん、佐賀県が生んだ偉大なる農業者。(佐賀県江北町(こうほくちょう)在住)
病気をきっかけに23年間務めた佐賀県立高校の生物の教諭を辞め、専業農業となられ、まことに体に良い食、農業を追及されてこられました。
有明海に自生する植物の「葦」(「よし」と読みます)を完熟たい肥にした植物有機農法に取り組まれました。(このたい肥は木村秋則さんも認める完熟したもの)
高校教師をやめて農業一本生活するには、大変なご苦労があられました。バイヤーの無理解、大根数万本の買い取りの約束を、その数の大根だけでなく段ボールまで用意した後に、あっさりとその約束を反故にされたり・・。木村秋則さんのように、ひと月の食費が家族7人で3000円とまではいかなくても、やはり困窮もされ、一度は高校の非常勤講師で復職もされました。しかしかつての同僚の目は冷たく、自分の道はやはり「葦」を使った循環有機農法であると吹っ切れて、再び専業農家に戻ります。
そんな時、葦の堆肥を使った循環型農法による古代米作りが、イタリアに本部を置く国際的なNPO団体『スローフード協会』に認められ、2002年のスローフードアワード(※)において、日本人で初めての「スローフード大賞」を受賞。 逆輸入の形で武富勝彦氏の名前は全国的に広まりました。 現在も佐賀県において、古代米の黒米・赤米・緑米や野菜などを無農薬有機農法で作りながら、農産加工品の商品開発、そして、体にまことに良い塩の開発などを行いながら、新しいにんにくの事業も意欲的に挑戦しておられます。
(※)スローフードアワードとは? スローフードはイタリアのブラという村から始まった、マクドナルドなどの ファーストフードと反対のスローフードNPO活動。 (日本では、島村菜津の著書「スローフードな人生」でスローフードというコトバが知られるようになった)スローフード協会は世界各国で発足する中、その本部であるイタリアにおいて、世界中の食の取り組みから優れたものを表彰するのがスローフードアワードで食のノーベル賞と言われており、大変権威ある賞です。
★そういう賞なので、武富さんにリチャードギアから面会の申し込みもありました。(佐賀に来る予定でしたが、玄海地震で実現せず、リチャードギアは代わりに比叡山のトップと面会して帰ったそうです)
当会が武富さんを応援するのは・・・
世界的な農業者というだけでなく、①そのお人柄、そして食へ対する真摯な姿勢に共鳴したこと、②すばらしい農産物加工食品を手間暇をかけて丁寧につくられていること、③食の常識を変えるようなすばらしい塩を、開発されたこと、などがあります。なんといっても、お会した方ほぼ全員が武富さんのファンになるくらい、「ステキでよか人」なんですよ^^。(木村秋則さんと共通します) 武富さんの塩や商品についての紹介は、別記事でアップしますが、下記に、スローフード大賞受賞サイドストーリーをお付けします。ぜひご覧ください!
すてきなサイドストーリはじまりはじまり
武富さんの古代米の取り組みが日本スローフード協会の方の目にとまり、2002年度イタリアスローフードアワードの日本代表として推薦文がイタリアに送られました。
武富さんが、スローフード大賞の最終候補20名に選ばれたというお知らせは、武富さんが堆肥にする葦を刈ってた時、携帯に連絡がありました。 そのとき、汗だくで「携帯は出らんでもよかけど・・」と思いながらついつい、手にとってしまって出てしまいました。
それが、スローフード大賞の最終候補20人に選ばれ、
「イタリアから佐賀県江北町に調査員が行きます、マスコミは勿論、親戚縁者にも一切他言は無用」という知らせでした。想像以上のおおごとでありました。
イタリアから女性の調査員が通訳を連れて、佐賀県江北町に やって来ました。
3泊4日、つきっきりで調査した、その女性調査員は、武富さんに魅せられたのでしょうね、「またトリノでお会いしましょう。」と言い残して帰国されたのです。
やがて、日本スローフード協会から「日本人初のスローフード大賞受賞おめでとうございます。紋付羽織袴でトリノの授賞式にお越し下さい」と連絡が・・。
武富さんは、そもそも「スローフード」はよく知らないし、飛行機が苦手で、13時間もかけてイタリアに行きたくないのが正直なところだったそうです。(武富さんらしい^^)
賞金とメダルか賞状だけ送ってもらえばいいと思っていたのですが、 「紋付羽織袴とは何じゃ?これは行かんばいかん。」とピーンときて、武富家の紋の入った紋付と袴を、風呂敷に包んで、イタリアへ。
さあ、トリノでの授賞式です。武富さんは日本人初として、国を背負って表彰されました。
予想してなかったさらに大きな賞を・・・
その終了後「只今から審査員特別大賞の発表です」とアナウンス。
この特別大賞はさらに大変な賞で、これまでアジア人は一人も受賞してません。
「スローフードな人生」の著者、島村菜津さんが同行されていましたが、「武富さんは審査員特別賞は無理だと思いますよ」と仰ったそうで、それも無理はない、アジア人がまだ一人もとっていない賞でした。
武富さんも自分には関係ない、と、ぼんやりしていたら、「あなたの名前が呼ばれていますよ。」と言われ慌てて壇上に上がって、再度表彰されたのです。
1位のガテマラのグループと1票差の2位、審査員特別大賞の5組に選ばれ、日本人初の賞だけでなく、アジア人初の賞をダブル受賞、これは大変な快挙でありました。
ちなみに・・、2002年武富さんの受賞以来、日本人はこのイタリアのスローフード大賞をとってません。
当会は木村秋則さんの自然栽培を応援しています。
九州一つの会の大きなミッションの一つが、木村秋則さんの自然栽培についてお伝えし、九州内でその栽培法を広めていくことです。
木村秋則さんの奇跡のリンゴはご存じの方も多いと思うのですが、世界で初めて絶対不可能と言われたリンゴの無農薬栽培に成功された方です。
NHKプロフェッショナルに出演され、司会茂木健一郎さんに「木村秋則さんの人生は、一冊の本にすべきだ」といわしめた、壮絶な挑戦の11年間の物語は、NHKの追加取材が入り「奇跡のリンゴ」という本にまとめられ幻冬舎から出版され、30万部突破のベストセラーーになりました。そのあとも、木村さんご本人が書かれた本や、関連本が多数出版されています。
http://www.akinorikimura.net/info
最近のおすすめは、
鍵山秀三郎氏と共著 「目に見えないけれど、人生でいちばん大切なこと」
木村秋則さん著 「地球に生まれたあなたが今すぐしなくてはならないこと」
★世界初の無農薬のリンゴ、ということで、木村さんの偉業は「無農薬」に集中してしまったところがあるのですが、無農薬を可能にした、「土づくり」のことは案外知られていません。
木村秋則さんが、命を削るような激務で全国で農業指導、講演を受け、元旦も仕事をするような日々を送られているのは、ご自身がリンゴ栽培でたどり着いた「自然栽培」を普及するためであります。
が、
無農薬有機農法 と 木村秋則さんの「自然栽培」の違い。この違いは、案外知られてないみたいなのですね。
すごおく、おおざっぱな文章で説明させていただきます。
専門的な表現はこちらへ ⇒ http://www.akinorikimura.net/ak-method/method.html#01
①有機農業⇒ 肥料を使います。
肥料・・、つまり、
土に、
栄養を、
人が、
いれます。
入れるものが「化学肥料」じゃないよ、
動物のフンとか、有機的なもんだよ、というのが、有機農法。
(生ごみを発酵させてたい肥にするものこれかな??現在の生ごみにそもそも、抗生物質や農薬が入ってるかも、当会スタッフは思ってますが・・)
②木村秋則さんの自然栽培 ⇒ 肥料を入れません。
植物と土の本来持つ力を引き出す農業です。
土の中の微生物が、栄養を作り出して、それの栄養で育ちます。
★有機農法の農作物に含まれることが多い、硝酸態窒素の害について、木村秋則さんが本で指摘して、木村さんが「有機農業を否定している」と誤解されてしまいました。
木村さんは、
「完熟してない動物のたい肥で育てた作物には、硝酸態窒素が含まれ、それは人間にとって毒である」と言っているだけなのです。
「完熟した動物のたい肥」とはなんぞや。
⇒ 動物のうんちが、微生物の働きよって、
うんちじゃないもの、「NOTうんち」に
変化したものです。
それが「完熟した動物のたい肥」。
これがどうも、少ないらしいのです。
動物のうんちを、微生物の働きによって、「うんちじゃない」ものに変化させるのに、最低5年はかかるといわれてますが、
5年もかけて作られた動物性たい肥はほとんどないのが現状で、本来使うべきでない状態を、土に入れているケースが多いということなのです。
⇒ 牛は、自分が糞をした場所に、そのあとに生えている草を、5年間食べないそうです。それは、糞が土の中に入ってしまって5年間は、自分にとって毒となる草が生えていると本能でわかっているから(牛、すごい!!)
未完熟のたい肥とは、 まだ発酵途中、つまり、うんちとしての成分が残っている、とかそんな感じでとらえたらわかりやすいでしょうか・・・。
動物のうんちは、簡単に分解されて、別物にならないということですね。
木村さんが否定しているのは、あくまで、未完熟のたい肥を使用した有機農法で、 (だって体にわるいのですから・・)
木村さんは「完熟したたい肥を使用した有機農法」を決して否定していません。
実際に当会スタッフが木村さんご本人から「○○県で、5年以上熟成させたたい肥を使った野菜を見せてもらった、キャベツなんかずっしり重くてね、すごく良いものだった。ああいう有機農法はすばらしい」とおっしゃったのを聞いています。
合鴨農法は、鴨のふん、そのものが、田んぼに入ってしまうので、なおさらよくない、というのが木村さんの考えです。
うーん、発酵もしてないフンがダイレクトに入って、それを稲がすうのです・・・。
(合鴨のフンによる害の調整は、いろいろとできるので、必ずしも悪いとは言えませんが、そこまできちんと考えて糞の量をコントロールされてないケースが多いのも事実です。)
また、木村秋則さんの盟友で30年前から有機農法を取り組み、7年前から自然栽培に切り替えていった豊田市の山中勲氏も、硝酸態窒素について言及。完熟していない「まだまだうんち状態のたい肥」を使用する危険さを、山中氏のような有機農業30年選手が指摘しています。さらに、「鶏の糞は窒素が多すぎるので絶対に使用してはいけない」と断言されてます。(山中氏は、一部はまだ有機農業をされてます) 九州内では、まだこのことを知らずに使用している方も多く、正しい知識を広めることが大事だと考えています。
とまあ、硬い感じで書いてきましたが・・・
自然栽培って、お米も野菜も果物も、とにかくおいしいんですよお。まだ味わってない方が九州は多いので、味わっていただきたい、それがいちばん!
当会の講演会で、自然栽培のイチゴを少しですが販売しましたが、「こんなおいしいイチゴは初めて」という感想が多数寄せられました。
もちろん、当会が応援する武富勝彦さんさんの塩を使用です。
当会のミッションとして、武富さんの塩を広めるということがあります。これも別記事で紹介しておりますのでぜひご覧ください!
自然栽培のお米を、武富さんの塩で握った、おいしいおむすびを、たくさんの方に味わっていただきたいと思っています^^。
「木村秋則さんの自然栽培と海とお山 安心安全を売るスーパーのおはなし」ご報告です。
4月19日土曜日快晴の日に福岡市立中央市民センターで、標記講演会を開催致しました。
【企画の思い】
食育などの講演会やセミナーはたくさん開催されてますし、たくさんの方が参加されませす。でも、そういう講演会に来られる方で、「食を生み出す農地」、と「山」と「海」は繋がっている、と頭において、「漁師さんの現状」や「林業・山のこと」に、関心をもっておられるのは少ないのではないか。そもそも、農業、林業、水産業、3つが揃う講演会自体が、ありそうでない。
それで・・・農地と海と山が繋がっていることを認識する講演会 、 農業、林業、水産業3つが揃う講演会の、企画が立ち上がりました。意識しておられる方は少ないのでは・・・、そこを考えるきっかけにしたい、そのような思いで、本講演会は企画されました。
告知記事です。 https://chuma.mixh.jp/xn--k9jua228tvkas5a516d.com/20140419_event/
【概要報告です】
★当日トップバッター。「現在を生きる山守の思い」をお話頂いた、吉野杉の山守、中井章太氏。
食の安心安全に興味がある意識が高い人たちも、林業の現実と、重要性はなかなかしらない。
山林管理を行う「山守」の家系に生まれた7代目の中井さん。「現在を生きる山守の思い」というテーマでお話しいただきました。
100年後の子孫が住む家の材料を、今育てている。
今の木材は100年前の先人が植えて100年育ててくれたもの・・・。ふつうは、考えたこともない・・・。
木の年輪に、先人が丁寧に枝打ちした跡がちゃんと残る・・、鳥肌がたちますね。
会場で流れたこの映像(2分程)も、ご覧くださいませ。本当に感動します。
http://www.youtube.com/embed/uwjIzr5HNa8
手入れされた山の美しさというものも、ふつうはあまりわからない人が多いと思います。当会メンバーもそうでした。
中井さん、そのお父様、おじいさま、ひいおじいさま・・・代々の山守さんが一生懸命手入れされた山、こんなに美しいのか、と涙がでそうでした。
もう、この映像がすべてを表しています。なにもいうことはないくらい・・・。
アンケートでは、「貴重な話を聞けてよかった」という林業のことを知れてよかった!という感想がたくさんでした!「日本をこれまで守ってくださりありがとうございました」、というメッセージも。
林業・・、深いです。重要です!
★漁師出身、水産庁の現役官僚、ウエカツこと上田勝彦氏。
彼にしか話せない海と魚とこの国の未来の話は本当に毎回進化しています。
「なぜ日本人が魚を食べなければいけないのか」
国土面積が80位以下。なのに、海岸線の長さとなると世界4位。複雑に入り組んだ海岸線の入り江の中に、繊細なおいしい海の恵みがはぐくまれるのです。
地理的なことから、国土全部を見通して、専門的でありながら、一般の方にわかりやすい語り口で説明するウエカツ節。
なぜ、この方がテレビで大ブレイクしたのか、皆さん心から納得されていました。
専門的話だけでなく、簡単で、おいしい魚料理の伝授も忘れない!簡単に干物を湯で煮る方法は、お若い参加者がその夜にさっそく試されたそうで、「うま・・!というう感じでした」と当会に報告があったくらいです。
アンケートで「パワポを使用せず、ここまで聞かせる講演は珍しいのでは」「話に引き込まれてもっと聞いていたかった!」 の声が寄せられました。
上田さんの本、おすすめです。
上田勝彦氏 参考HP
http://www.nhk.or.jp/ashita/miraijuku/archives/201305.html
★農業はもちろん自然栽培について。
講師は木村秋則さん直々の推薦、ご紹介の、豊田市のスーパーやまのぶの会長山中勲氏。
年商90億以上のスーパー経営者でありながら自然栽培の農業者でもあります。
山中会長は、30年前に、宴席で一緒になったアメリカ帰りのお医者さんと看護婦さんが「これからは日本もアメリカのように流産が多くなる。アメリカでは胎内で赤ちゃんが溶けたようになって流産になっている。それは添加物や農薬だと思う」とおっしゃったのを聞いて、「それならば、食べ物を提供するスーパーとして、無農薬、無添加のものを提供したい」と思ったのが、ご自身で農業をやるきっかけだったそうです。
無添加の食材もなかなか少ないのですが、それ以上に無農薬の野菜は少なかったのですね。農村をトラックで回って農家さんが自宅用に農薬をかけてない野菜をわけてもらっても、スーパーで売るには足りない・・。
それでご自身で無農薬有機農業をはじめて、ご自身のお店で販売されるようになったのです。30年前にこのような考えで無農薬に取り組んだ方は、全国でも非常に少ないのではないでしょうか。
そして、奇跡のリンゴ木村秋則さんとの出会いによって、30年間やってきた「有機農業」から、 「無肥料の自然栽培」 へ移行していかれたのです。
(有機農業は、肥料が動物の糞を発酵させたもので、化学肥料じゃないよというだけで、肥料は使用します。30年有機をやった山中会長だから話せる「鶏の糞は絶対に使用したらいけない」などの知恵も披露されました)
無農薬無肥料イチゴや野菜の栽培に成功され、今では豊田市ではすっかり有名なスーパーやまのぶの安心安全な農作物たち。
やまのぶの自社農業でつくられている自然栽培のいちご。店頭に並ぶとあっという間になくなるそう。
お惣菜もスーパー内で完全無添加手作り!もちろん、安心安全な食材を使用。「やまのぶのお寿司じゃないといやだ」という子供たちの声につながり、恵方巻きは一店舗4500本販売されるそう。
山中会長が経営する自然食レストランは、大変な人気だそうですが、3歳以下は無料だそうです。「子どもが小さい頃にこそ、安全なものを食べさせて欲しい」という会長の願いからだそうです。
アンケートでは、「スーパーやまのぶみたいなスーパーが九州にもたくさんできてほしい」「山中会長のご人格にも感動した」などのたくさんのお声が寄せられました。
スーパーやまのぶHP http://www.yamanobu.co.jp/
★講演会は盛会のうちに終了しましたが、これからも、食の安心安全を考えるときに、山 ~ 農地 ~ 海 のつながりをを考えて頂きたい・・、
また、農林水産業の各従事者の方が、これまで以上に連携して頂きたい、そういうことを当会は発信していきたいと思っております!
★ご参加いただいたみなさま
そして、周知などのご協力を頂いたみなさま、
当日のボランティアで手伝ってくださったみなさま
本当に本当にありがとうございました。