会長旅行記 延岡の素敵なタクシー花井運転手のおはなし その6(最終回)
会長の旅行記、最終回です。これまでのお話はこちら ⇒ http://九州一つの会.com/date/2014/05
とはいえ、あまりにも時間があいてます。
簡単にあらすじを。 それは素敵なタクシーの運転手の花井さんとであった会長。 2回目の延岡旅行でもお世話になり、楽しい観光を楽しんだあとお食事をしながら、すばらしい花井さんの人生と仕事の哲学を聞いてさらに感動。食事の次の日も、花井さんの案内で美々津に連れて行ってもらうことに。さあ、会長の宮崎の旅はどうなるのでしょう。
★はじまりはじまり。
延岡のホテルは、花井さんもお勧めのホテル「メリージュ延岡」
ホテルメリージュ、とってもきれいなホテルです。
スタッフの方の接遇も抜群。
いろいろな地方のビジネスホテルに泊まるけど、
これは最高クラスでした。
朝屋上からみた延岡の町の朝の景色は、それはきれい。
町はすごい高層の建物はなく、横に町が広がり、太平洋と反対側の遠くに山々が連なっているます
同じ太平洋側でも和歌山とはまったく違う。太陽の色も違う気がする。やはり九州って南国なんだ。
(読んでくださっている皆様へ。ここで写真があったらいいんですよね~すみません、ぜひホテルメリージュに行かれてください^^)
さあ、花井さんとの約束の時間。おお、もう来ておられる。
タクシーで出発です。
「美々津まで何キロくらいでしたっけ」
「う~ん20Kmちょいかなあ」
「うふふ、そんな長距離をタクシーで行って観光という贅沢は、私はじめてです~」
国道10号線を南下する花井号。右手に太平洋が見え、走りやすい国道を気持ちよく走っていきます。
花井さんもお話絶好調、いろいろなお客様の楽しいエピソードや、これから行く美々津、そしてクルスの海の説明など聞いてると、あっという間に日向市に入り、あっさりと美々津の海についてました。近い。タクシーだからだなあ・・。
海のすぐそばに海の神様を祭る立磐神社があり、まずこちらをお参りします。(後から見たら不思議な位置にある神社でした)
そして、さあ、神武天皇が、東征に出向したとされる海です。
「きれいですね~~~、横に長い・・。海の色が本当に南国ですよね~~」
「あそこにね、灯台がある島と、もう一つ島があるよね、あそこの間を神武天皇たちの船は通って、東に向かい二度と帰ってこなかった。だから、今でも地元の船はあそこを決して通らないんだよ」
「へええ~、1000年以上も誰も通ってない海上の場所って、こうして見えているのに不思議な感じですね」
あの二つの島の間をとおった神武天皇(そのときはまだ即位してないけど)は、そのまま北東へ向かい和歌山の海から上陸したのそうです。
あっ、その上陸のまちは、和歌山新宮市(熊野那智大社があるところ)だ。私は数年前行ってた、そういえば。
新宮の小高い場所にある神社に、1月の寒い時期に朝一番に一人いって、海に上る朝日を見てたとき、日向を出発した神武の船は、今私が見ているこの海に現れ上陸したのか~、と思ったのを思い出してました。
(この時点、神武天皇が宮崎を東征出発したのもたまたま知ってました)
その数年後、そのときは知らなかった「神武天皇が旅立った海」に誰かと二人で来るとは思いもしなかったなあ・・、これぞ本当に不思議な感覚でありました。
本当に美々津の海は、平気で1時間くらい眺められるうつくしさですが「さあ、次の「クルスの海」に行こうか」と花井さんに促され出発です。
美々津の古い町並みの中を通ったとき、古い建物を利用した素敵なお店があるのに気づきました。
「今、美々津は観光のお客さん多くなってるんですか?」
「う~ん、まだまだろうけど、宮崎は高千穂が有名になって、若い女性が増えてるのは増えている、美々津も神話の舞台だから、少しずつだね・・。ああいうしゃれたお店もできてるし。これからだよね」
そうかあ、神武が上陸した新宮の那智大社と同じくらい、出向した美々津が知られるようになったらいいなあ。
さあ、願いが叶うといわれる「クルスの海」です。
美々津から10Km以上は離れているようでしたが、信号がそこまでないので、結構あっという間でした。
駐車場からは海はまったく見えず、階段を上っていきます。
展望台のようなところが上にあって、そこを進もうとする私に花井さんが言いました。
「あのね、ここからは僕が手を引いていくから、目をつぶって歩いてみて」
両手を花井さんに引かれ、花井さんは後ろ向きに進む形で
数メートルを歩き・・・、
「さあ、目を開けてみて」
「きゃああああ」
目を開けた瞬間、うつくしいうつくしい、クルスの海が・・・、ばーんと目に飛び込んできました。
昨日観光案内の写真では見てましたが、実物はそれどころではないわ。なんてきれい
しかも、花井さんの素敵な演出がにくいにくすぎる。
展望台について、歩くうちにだんだん、「ああ、あれかあ」と見えてくるより、このように目をつぶって、柵の手前で目をあけた瞬間、この風景がぼんと目に入るほうが、インパクトはあるし、数倍もきれいに見えるもの。
花井さんも、にこにこと、「きれいでしょう」
「花井さんのおかげで数倍きれいですよ~。本当にクルスだ~、本当に叶うという文字ですね、まあまあまあまあ」
とおばさん丸出しの、まあまあまあが出る。
海の色が南国の色というのも、数倍この景色を特別のものにしていると思う。岩の色との対比がより鮮やか。
写真はのせません、ぜひみなさんいってみてください!
午前中のまだ早い時間というのもあって、だあれもいない。
宮崎の海というのは、本当にきれい。南のほうの掘切峠なんか大好きなのだけど、この日向の海は、私にとってまたスペシャルな海となりました。
長崎~宮崎は本当に遠いのだけど、もっとたくさんの長崎県民がこちらに来て、そしてたくさんの宮崎の方に、長崎の海を見に来て欲しいなあ。
駐車場に戻って、ふときずきました。
「花井さん 「米の山」って書いてある、米の山というお山があるんですか?」
「こっちの山がそうだよ」
「まあ!」
「米いのち」のわたくしが、ここに来たのは、まさに運命、お米のかみさまのお導きに違いない。
しみじみと、3年前からの花井さんとの出会いから、手配されたように、今、自分がこの地にいることを不思議に感じました。
そんな私を乗せた花井号は、うつくしい海とお米の山の間の道をすべるように進んで行きます。
この後は最寄り駅にお送りいただくのです、いよいよ花井さんとのお別れの時間が近づいていました。
花井さんは日向駅に向かってました。
最寄り駅は美々津のなのに、大きな日向駅に、何も言わずに向かってくれてました。
ふと、大御神社という看板が見えました「ああ、数年前に来たところだ」
飫肥~宮崎市~高千穂という、宮崎大縦断の、ひとりドライブをしたのですが、
高千穂に抜けるとき、「さざれ石?ってなんだろう」と、21時という時間に、
ちょろっと寄ったところです。
日向市だったのか・・。(地図も持たずに適当にドライブするのでこんなもん)
「大御神社って、美々津のそばだったんですね~」
「もしかして行きたい?でもごめん、時間が・・・」
「いえいえ、一度行っているし大丈夫です」
(きっと、次の予約が入ってるんだろう、時間を先ほどからちょっと気にされてる)
日向駅に着きました。
「まにあったああ、あとちょっとで宮崎行きの特急が来るから」
「えええええ?」
私は、駅に着いたら一番近いのに乗ればいいや、くらいの気持ちでしたが、
花井さんは、特急の時間を調べてそれに間に合うように送ってくださったのです。
観光した美々津の駅には特急は停まらないから、特急に乗れるように遠い日向駅まで、しかも特急の時間にぴったりと連れてきてくださったのです。
もうコトバになりません。
万感の思いで、「ありがとうございました」ぺこり
「こちらこそ・・、本当にありがとう」
優しい笑顔で、手をふって花井さんが行ってしまいました。
時間があるけど、ずっとタクシーを見送りました。
そして、私は、私はブルネイ賞をとったという、それは素敵で気持ちがいい、木でできた日向駅から、
それは気持ちがよ~く、しあわせ~な気持ちで、にこにこと切符を買って、にこにこと出発したのでした。
おしまい。
全編を読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
感謝をこめて s
★加筆時BGM
ホロヴィッツ演奏
ラフマノフ作曲 ピアノソナタ第二番 変ロ短調
【先々週のNHKFMのホロビッツ祭りを「カセットテープ」に録音(アナログで笑われそうですが)
4日間放送された「ホロヴィッツ祭り}のラストの曲。圧倒的な演奏です。何度も「巻き戻し」、同じこの曲を聞きながら「本当に飽きないなあ」思いながら書き上げました。
ホロヴィッツを好きになったきっかけも九州内旅行がらみです。いつか書きたいですね