最終回を受けて再びアップ、その4で紹介した 花井運転手さんの素晴らしい哲学 ふたたび

2015-09-11

九州一つの会IT黒子です。

当会会長の延岡旅行記の最終回を、先日アップしました。

しかしその前の話のアップからあまりにも時間がたってるため、会長がどうしてこの花井さんの話をたくさんの方に伝えたいと、大長編で書いたのか、

そのもっとも大きな理由、花井運転手の素晴らしい哲学、 再びアップさせていただきます。

ぜひご覧くださいませ。

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素敵な延岡のタクシー運転手花井さんと再会した夜。とっても素敵な夜の観光案内の後、二人でちょっと遅い夕食に向かいます。
花井さんが連れて行ってくださったのは、洋食のレストランでした。

「宮崎はチキン南蛮が有名って知っているよね」
「はい、今は長崎でもチキン南蛮はありますから、 発祥が宮崎とはだいぶ長い間知らなかったんですが・・」
「実は、延岡が発祥の町なんだよ」

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「・・・、そうなんですか!!まったく知りませんでした。 宮崎市とばかり、すみません」
「そう思っている人が多いから気にしないで、PRがねえ、本当に課題でね」

うーむ私自身、延岡市といえば甲子園の延岡学園位しか、3年前に旅行に来るまで知らなかったもんなあ。・・・。
(2013年春の選抜準優勝おめでとうございます!)

二人でお店に入ると、偶然にもお客さんの一人が花井さんの知り合いみたいで、
「花井さん!お久しぶりです」「おう、こんばんは!」
席について 「お知り合いの方感じがよい方ですね、このお店でたまたま会うなんて、すごい偶然ですね。」
「うん、前の仕事のときの知り合いでね、一緒にいろいろとやったんだよ」
「前のしごと?」

花井さんは前のお仕事の説明を少しされ、そしてそのお仕事が終わってしまった理由も、淡々と話されました。
花井さんの了承を頂き、たとえ話で説明します。

ええと、大ベストセラー百田尚樹の「海賊とよばれた男」の主人公のお父さんは、藍染の職人さんでしたが、化学染料が日本に入ってきて、やがてお店をたたむことになりました。それは、お父さんの実力とか関係ない、時代の流れでどうしようもないことです・・。 花井さんのお仕事も、それと同じような時代が変わって、扱っていた品がだんだん必要とされなくなった・・・、そんな理由で終わってしまったのです。

「まあ、時代が変化に気づいて対応する努力が足りなかったといわれたらそれまでだけどね(そんな・・・)
前の仕事のときも、それは仕事が楽しかったし、結構がんばってたんだよ^^」
「やり手さんだったと思います」
「で、このタクシーの仕事を始めて、タクシーの運転手として、可能な限りの努力をしようと思ったの」
「はい」   ・・・このあと、私の想像以上のものすごい哲学が語られていきました・・。
「タクシーは、JRやバスに比べて高いよね。だから高い料金を頂くだけのサービスは絶対最低限だよね、お客様に気持ちよくすごしていただく接遇は当然。前の仕事はサービス業ではなかったから、まあそういう努力から始めて・・・・」

(私が始めてお会いした時「感じがいい運転手さんだなあ」と思ったのも納得だ。お人柄だけでなく、「サービス」への努力に裏打ちされた接客をされていたのだ)

「そして、観光でタクシーに乗ってくださるお客さまに対しては、公共交通より割高なタクシーに乗って頂くのだから、公共交通を使用した時より、はるかに楽しんで頂き、
満足して頂かなければいけない。楽しい旅行にして差し上げる義務があるんだよね、それはもう絶対に。
それで、延岡や高千穂の歴史や神話を徹底的に勉強し始めたわけ。今「高千穂鉄道」がないから、高千穂にタクシーを使われるお客様もいらっしゃるからね」

「すごいですね、先ほど頂いた、お手製の神話の資料もそうやって作られたんですね」

「はは、そんなたいそうなものじゃないけどね。そうやって観光に関する勉強を始めて、そのうち、宮崎県内ほとんどの自治体の観光協会なんかを訪ねはじめて・・、いろいろその町の資料をもらって勉強したのよ。延岡からすごく遠い、内陸部の小林あたりはさすがに行ってないけど、それ以外の宮崎県内のまちをぜんぶまわったなあ。
たとえば、延岡から宮崎空港に利用くださるお客様に対して、1時間以上かかるその道中で、道沿いの町の歴史や神話を話せたら楽しんで頂けるし、また宮崎に来ようと思われるかもしれない。
そういう説明ってビジネスで来た方にも喜んでいただけて・・、そのうち、運転手仲間でそういう勉強会も始めたんだよ。」

「すごい!!」

チキン南蛮を食べながらうかがう、花井さんの哲学。

しかしその深さはまだまだ続きがあったのでした。

(その5につづく) その5はトップページの「コラム」から入ったらあります、ぜひご覧ください。

 

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