「木村秋則さんの自然栽培と海とお山 安心安全を売るスーパーのおはなし」ご報告です。
4月19日土曜日快晴の日に福岡市立中央市民センターで、標記講演会を開催致しました。
【企画の思い】
食育などの講演会やセミナーはたくさん開催されてますし、たくさんの方が参加されませす。でも、そういう講演会に来られる方で、「食を生み出す農地」、と「山」と「海」は繋がっている、と頭において、「漁師さんの現状」や「林業・山のこと」に、関心をもっておられるのは少ないのではないか。そもそも、農業、林業、水産業、3つが揃う講演会自体が、ありそうでない。
それで・・・農地と海と山が繋がっていることを認識する講演会 、 農業、林業、水産業3つが揃う講演会の、企画が立ち上がりました。意識しておられる方は少ないのでは・・・、そこを考えるきっかけにしたい、そのような思いで、本講演会は企画されました。
告知記事です。 https://chuma.mixh.jp/xn--k9jua228tvkas5a516d.com/20140419_event/
【概要報告です】
★当日トップバッター。「現在を生きる山守の思い」をお話頂いた、吉野杉の山守、中井章太氏。
食の安心安全に興味がある意識が高い人たちも、林業の現実と、重要性はなかなかしらない。
山林管理を行う「山守」の家系に生まれた7代目の中井さん。「現在を生きる山守の思い」というテーマでお話しいただきました。
100年後の子孫が住む家の材料を、今育てている。
今の木材は100年前の先人が植えて100年育ててくれたもの・・・。ふつうは、考えたこともない・・・。
木の年輪に、先人が丁寧に枝打ちした跡がちゃんと残る・・、鳥肌がたちますね。
会場で流れたこの映像(2分程)も、ご覧くださいませ。本当に感動します。
http://www.youtube.com/embed/uwjIzr5HNa8
手入れされた山の美しさというものも、ふつうはあまりわからない人が多いと思います。当会メンバーもそうでした。
中井さん、そのお父様、おじいさま、ひいおじいさま・・・代々の山守さんが一生懸命手入れされた山、こんなに美しいのか、と涙がでそうでした。
もう、この映像がすべてを表しています。なにもいうことはないくらい・・・。
アンケートでは、「貴重な話を聞けてよかった」という林業のことを知れてよかった!という感想がたくさんでした!「日本をこれまで守ってくださりありがとうございました」、というメッセージも。
林業・・、深いです。重要です!
★漁師出身、水産庁の現役官僚、ウエカツこと上田勝彦氏。
彼にしか話せない海と魚とこの国の未来の話は本当に毎回進化しています。
「なぜ日本人が魚を食べなければいけないのか」
国土面積が80位以下。なのに、海岸線の長さとなると世界4位。複雑に入り組んだ海岸線の入り江の中に、繊細なおいしい海の恵みがはぐくまれるのです。
地理的なことから、国土全部を見通して、専門的でありながら、一般の方にわかりやすい語り口で説明するウエカツ節。
なぜ、この方がテレビで大ブレイクしたのか、皆さん心から納得されていました。
専門的話だけでなく、簡単で、おいしい魚料理の伝授も忘れない!簡単に干物を湯で煮る方法は、お若い参加者がその夜にさっそく試されたそうで、「うま・・!というう感じでした」と当会に報告があったくらいです。
アンケートで「パワポを使用せず、ここまで聞かせる講演は珍しいのでは」「話に引き込まれてもっと聞いていたかった!」 の声が寄せられました。
上田さんの本、おすすめです。
上田勝彦氏 参考HP
http://www.nhk.or.jp/ashita/miraijuku/archives/201305.html
★農業はもちろん自然栽培について。
講師は木村秋則さん直々の推薦、ご紹介の、豊田市のスーパーやまのぶの会長山中勲氏。
年商90億以上のスーパー経営者でありながら自然栽培の農業者でもあります。
山中会長は、30年前に、宴席で一緒になったアメリカ帰りのお医者さんと看護婦さんが「これからは日本もアメリカのように流産が多くなる。アメリカでは胎内で赤ちゃんが溶けたようになって流産になっている。それは添加物や農薬だと思う」とおっしゃったのを聞いて、「それならば、食べ物を提供するスーパーとして、無農薬、無添加のものを提供したい」と思ったのが、ご自身で農業をやるきっかけだったそうです。
無添加の食材もなかなか少ないのですが、それ以上に無農薬の野菜は少なかったのですね。農村をトラックで回って農家さんが自宅用に農薬をかけてない野菜をわけてもらっても、スーパーで売るには足りない・・。
それでご自身で無農薬有機農業をはじめて、ご自身のお店で販売されるようになったのです。30年前にこのような考えで無農薬に取り組んだ方は、全国でも非常に少ないのではないでしょうか。
そして、奇跡のリンゴ木村秋則さんとの出会いによって、30年間やってきた「有機農業」から、 「無肥料の自然栽培」 へ移行していかれたのです。
(有機農業は、肥料が動物の糞を発酵させたもので、化学肥料じゃないよというだけで、肥料は使用します。30年有機をやった山中会長だから話せる「鶏の糞は絶対に使用したらいけない」などの知恵も披露されました)
無農薬無肥料イチゴや野菜の栽培に成功され、今では豊田市ではすっかり有名なスーパーやまのぶの安心安全な農作物たち。
やまのぶの自社農業でつくられている自然栽培のいちご。店頭に並ぶとあっという間になくなるそう。
お惣菜もスーパー内で完全無添加手作り!もちろん、安心安全な食材を使用。「やまのぶのお寿司じゃないといやだ」という子供たちの声につながり、恵方巻きは一店舗4500本販売されるそう。
山中会長が経営する自然食レストランは、大変な人気だそうですが、3歳以下は無料だそうです。「子どもが小さい頃にこそ、安全なものを食べさせて欲しい」という会長の願いからだそうです。
アンケートでは、「スーパーやまのぶみたいなスーパーが九州にもたくさんできてほしい」「山中会長のご人格にも感動した」などのたくさんのお声が寄せられました。
スーパーやまのぶHP http://www.yamanobu.co.jp/
★講演会は盛会のうちに終了しましたが、これからも、食の安心安全を考えるときに、山 ~ 農地 ~ 海 のつながりをを考えて頂きたい・・、
また、農林水産業の各従事者の方が、これまで以上に連携して頂きたい、そういうことを当会は発信していきたいと思っております!
★ご参加いただいたみなさま
そして、周知などのご協力を頂いたみなさま、
当日のボランティアで手伝ってくださったみなさま
本当に本当にありがとうございました。